にょきにょきアスパラガス狩り

楽しい味覚狩り(U-Pick)

自然豊かなミシガンの楽しみ方はいろいろですが、野菜や果物の味覚狩り(U-Pick)は文字通り自然を美味しく味わう絶好のチャンス!ミシガンでは、春から秋にかけてチェリー、ブルーベリー、りんご狩りなど様々なU-Pickを楽しめますが、驚きのアスパラガス狩りも体験できます。

アスパラガス狩り(asparagus picking)

春一番、土の中からまるで筍のようににょきにょき出てくるアスパラガス。1日およそ10センチも伸びるので、朝夕2回収穫することもあるとか。昨年、ドライブ中に見つけた直売所で買った甘くて新鮮なアスパラガスに感激し、今年はとある農園で待望のU-Pickに初挑戦。畑一面に逞しく伸びたアスパラガスは圧巻で、いざバケツを手に最初の1本を摘み取るとテンションはマックスに!隣の林檎畑では、ちょうどレッドデリシャスの花が満開でほのかな香りを放っていました。草木の香りと土の優しさに癒され、採れたてアスパラガスに舌包みを打つU-Pick!一度試してみたいと思いませんか?

U-pickの注意

  • 事前に電話で予約を。アスパラガスピッキングのシーズンは短く(今年は4月末から5月末までの約4週間)、また天候などの事情で変化するので出かける前に希望の日時に開いているか必ず確認する。
  • 穂先がきれいに締まっているものを選ぶ。
  • 30cm程度の長さにポキポキと手で摘む。
  • 多少長く伸び過ぎていても穂先が開いていなければ問題ない。先端部分30cm程度を摘み取る。
  • 太いアスパラガスの方が甘みが強いと言われている。
  • できれば朝の涼しいうちに収穫した方が鮮度を保てる。
  • 日焼け対策は十分に。また寒い日には軍手を持参すると良い。

アスパラガス畑

根株から出た新芽(左)。きれいな紫色をしている。日光がよく当たると紫になる。

10cmほどに伸びたアスパラガス(右)。

摘むにはまだ早い。つくしの袴に似た小さな三角形のものが退化した葉。

40~50cmの高さまで伸びている。一つの株から何本もの若芽が出てくるアスパラガスは「たくさん分かれる」というギリシャ語が語源の多年草。摘み過ぎると株が弱るため、芽の何本かは来年のために摘まずに残す。

スーパーでは見かけないちょっと曲がったアスパラガス。

なんと1m近くにまで伸びたアスパラガス。葉のように見える茎を茂らせ根に栄養分を送り翌年に備える。1株の根が深さ1~2m、高さが1~1.5m、直径1m位まで巨大に成長する。アスパラガスは種をまいてから根が十分成長するまで収穫せず、3年目以降から約15年間収穫できる。水はけの良い砂地を好む。雄株、雌株がある。

保存のポイント

アスパラガスは成長段階で収穫するため収穫後も成長を続け鮮度保持が難しい作物と言われています。また表面積あたりの切断面積が大きく水分減少が早いのも鮮度が落ちやすい原因になっています。

冷蔵

アスパラガスは冷蔵庫で立てて保存する。

  • 摘んだ後、必要ならしばらく冷たい水につけて水分を補給する。
  • ビニール袋に入れて冷蔵庫で立てて保存する。水で湿らせたキッチンペーパーで包んでから袋に入れ乾燥を防ぐ。牛乳パックを利用してもよい。

冷凍

硬めに茹でるか軽く(30秒程度)レンジで加熱する。冷ましてから冷凍庫へ。

ギリシャ人やローマ人も食べていた

原産地は地中海東部。野菜としてだけでなく薬用としても利用されてきました。アスパラガスの絵がすでに紀元前3000年にエジプトで描かれており、古代ギリシャ人やローマ人は生で食べたり乾燥させたりして食べていました。2000年以上前から栽培されており、ローマ人が初めて冷凍保存したと言われています。16世紀頃にフランスやイギリスに広まり、移民によってアメリカにもたらされたようです。

疲労回復や利尿効果

摘みたてのグリーンアスパラガスは柔らかくて甘い。そして栄養価も高い!

  • ビタミンA、B1、B2、C、E、葉酸など豊富なビタミンを含み美容にも効果。
  • アスパラガスの旺盛な成長力は芽の部分に多く含まれていているアスパラギン酸の働きである。このアスパラギン酸はアスパラガスから発見されたことにちなんで名づけられたアミノ酸の一種で新陳代謝を促進し疲労回復や抵抗力を高める効果がある。また利尿作用があり腎臓や肝臓の機能回復にも効果があると言われている。又、がんの予防や治療にも期待されているようだ。調理する場合は熱に弱い為、加熱しすぎないように注意する。アスパラガスを食べると尿が臭くなるという面白い説もある。

ホワイトアスパラガスはグリーンアスパラガスと同じ品種ですが土寄せして栽培したもので、グリーンアスパラガスと比べ栄養価は低いと言われています。また目に良いといわれるアントシアニンを含むムラサキアスパラガスやミニアスパラガス等、異なる品種も近年登場しています。ちなみに我が家にあるアスパラガスファーン(Asparagus fern)は同じアスパラガス属ですが観賞用です。

アスパラガス国内生産高、第3位を誇るミシガン

ミシガンアスパラガスは他州と違って地面に出ている部分を手で折って収穫する方法を取っていて、この方法が柔らかさと風味を増すのだと書かれています。根元から切り取るのと違い、ポキンと折ると自然に柔らかい部分だけを収穫することになるからでしょうか?しかもミシガン州はアスパラガス生産高ではアメリカ合衆国内で第3位にランクされています。ミシガン湖沿岸で多くが栽培されているのは湖岸の比較的穏やかな気候*(3)と土壌が栽培に適しているからです。ミシガンの野菜生産高では他にもニンジンが全米2位、セロリも2位、ピクルス用きゅうりは1位です。野菜に限らず様々な農産物が他州をリードし、品種の数ではカリフォルニアに次ぐ多さを誇ります。農産物の輸出先は断トツでカナダ。2位がメキシコ、3位は日本。日本とミシガンが農産物でも深く関係しているという事実は意外な発見でした。かつてはほぼ森林におおわれていたミシガンですが、エリー運河*(4)の開通後人口の流入により開拓が進み肥沃な土壌が多い州南部では農業が盛んになったということです。

*(3)ミシガン湖の水が夏の暑さと秋の気温の低下を緩和する

*(4)1825年、エリー湖からハドソン川上流までを繋ぎ、五大湖と大西洋の間の舟運を可能にした運河。東部と中西部の運搬を一気に容易にした

そのままの味を楽しむ

何よりもシンプルに茹でたり焼いたりして食べるのが一番!蒸しても美味しい。

茹でる

たっぷりの水に塩少々を入れ沸騰したらアスパラガスを入れてさっと1~2分。こだわりの味を追求するなら、立てたまま茹でる専用のアスパラガス鍋を使ってみても。お浸しやごま和えで。または酢味噌、マヨネーズ、ドレッシングなどでバラエティ豊かに。

グリル

長いまま塩コショウしてオリーブオイルをまぶし450°Fで10~15分焼く。

  • 和風にするなら焼き上がった後で醤油またはめんつゆをかける。鰹節をかけて熱々を頂くのが私のお勧め。
  • 軽く塩コショウし、バターとパルメザンチーズをのせて焼くと洋風に。
  • カリフラワー、パプリカ、トマト等も焼いて合わせ彩りが鮮やかな温サラダに。
  • ファーマーズマーケットで見つけたキッシュみたいなアスパラガスパイ。これも面白い!

キャセロール

材料

  • 鶏胸肉2枚
  • アスパラガス1パウンド
  • クリームオブマッシュルームスープ1缶
  • マヨネーズ1/2カップ
  • レモン汁大さじ1
  • カレーパウダー小さじ1
  • アーモンド1/2C
  • チェダーチーズ1C

作り方

  1. アスパラはさっと茹でて水にとる。
  2. 肉は軽く塩コショウして小麦粉をまぶし、バター+オイルで両面をきつね色に焼き、レモン汁をかける。
  3. クリームオブマッシュルームスープ、マヨネーズ、カレー粉、チーズを混ぜておく。
  4. アスパラガス、焼いた鶏肉の上に2を載せる。
  5. アーモンドを載せる。375度でふたをして35分、ふたをとって5分焼く。

スープ

材料

  • アスパラガス160g
  • 玉ねぎ80g
  • バター5g
  • 水200cc
  • ご飯又はジャガイモ20g
  • 牛乳100cc
  • 固形スープ1/4個

作り方

  1. アスパラは柔らかめに10分位茹で小さく切る。 
  2. 玉ねぎは薄切りにしてバターで炒める。水と固形スープを加え柔らかくなるまで煮る。ご飯又はジャガイモを加えてとろみをつける。粗熱が取れたら煮汁ごとフードプロセッサーに入れ、アスパラと共にピューレにする。
  3. 2に牛乳を加えて軽くまぜ、味をみながら塩コショウで調味。

愛子