特にどこかに出かける予定もなくなんとなく迎えた週末。でも、日常とは少し違った時間を過ごしてリフレッシュしたい。そんな時、ふらりと出かけるのに最適なのが気取らないプリマスのダウンタウン。マサチューセッツのプリマスに因んで名づけられたというだけあって、どことなく東海岸を思い起こさせる建物が落ち着いた趣を添えている。
アートフェアArt in the Park、秋祭りFall Festival、氷の彫刻展Ice Festival、Kellogg Parkでのコンサート、、、と1年を通してユニークなイベントが多いのもこの街の魅力の一つだが、ゆったりと過ごす休日にはのんびり映画観賞とディナーというのも悪くない。今回は私の好きなプリマスダウンタウンの映画館とレストランをご紹介したい。
行列ができる映画館 PENN THEATRE
PennTheatreはダウンタウンの中心Kellogg Park 近くのPenniman
Ave.に位置する。プリマスが誇る歴史的な映画館で、上映時間に灯るネオンやロビーに掲げられた古い映画のポスターがレトロな雰囲気を醸し出している。Pennは1941年に開館するも、その道のりは決してたやすいものではなかった。数回にわたってオーナーが代わり、2003年から2004年にかけてついに閉館、存続の危機に立たされた。しかし、2005年にPennの将来を危惧した地元住民によってthe
Friends of the Pennが設立され、その後、強力な有志の好意に救われ2006年に再び開館、現在は非営利団体としてthe Friends of the Pennによって運営されている、まさしく地域住民の力の結束の賜物だ。
館内1スクリーンのみだが座席は402席とかなり大きい。公開が終了した映画、古典映画など、いわゆる往年の名画から家族で楽しめるものまで選りすぐった映画を上映している。コンサートなどの催しもあるようだ。普段はそれほど混み合うこともないが、人気映画上映時にはチケット販売開始前に長い行列ができる。少し前に見たWoman in
Goldの時は満席となる大変な混みようだった。一人3ドルのチケット代、ポップコーンの安さは一度体験すると病みつきになる。昔を知る人によれば、チケット代が1ドルの時代もあったというから驚きだ。通常、木~日曜日の上映で、1日の上映回数は1~2回と少ない。
個性的なレストランやカフェ
SARDINE ROOM
http://thesardineroom.com/home/
公園に面した絶好の位置にあり、テラスでその時々の催しを眺めながら取る夕食は格別だ。店内は奥に細長く、隣のテーブルの人ともおしゃべりできるような寛いだ雰囲気がある。好評の生の魚介Raw Barの中でも新鮮な生牡蠣が一番人気だ。Fish and Chipsもサクッと揚がって美味しい。フレンチフライは空き缶と英字新聞模様のペーパーで盛り付けられてお洒落。小皿料理small
plateが豊富で値段もお手頃なのがリピーターを増やす理由の一つだろうか。ハッピーアワーはカウンターと窓際のラウンジ席だけとなるが、生ガキやドリンクが安い。
SARDINE ROOMの他に同じオーナーが経営する二つのレストランが隣り合わせに並んでいて、それぞれの個性を発揮している。
☆COMPARI’S ON THE PARK:家族で楽しめるカジュアルレストラン。
☆FIAMMA GRILL:ムーディーな高級レストラン
PIZZA E VINO
イタリア人も美味しいと言うピザとワインのお店。イタリア、ナポリのVPN(Verace Pezza Napoletana) からミシガンで唯一お墨付きをもらった正真正銘ナポリピザのレストランらしく、薪釜wood-fired
ovenを使いナポリの伝統的な焼き方で手作りのピザを焼く。縁が膨らんでいるのがナポリピザの特徴で、高温、短時間で焼くことで表面はパリッと、中はふんわりと仕上がる。店内ガラス張りの奥にピザの完成までが見える。生ハムとルッコラは多くの人に好まれるトッピング。棚にずらりと並んだワインの中からピザに合わせてお好みの1杯を選びたい。本場のナポリピザを知らなくても、ほっこりピザとワインでなぜか癒される。
NICO & VALI
http://www.nicoandvali.com/ordereze/default.aspx
カジュアルイタリアン。モノトーンの外観に合わせ内装は明るくシンプルな造り。半年前までデリカテッセンのコーナーだった場所がカウンターバーに様変わりし小皿料理small
platesが増えたのは、アルコールと一緒に手軽に料理をつまむスタイルが近年、流行っているということだろうか。昼間からカウンター席が埋まっていた。ランチメニューも豊富でサンドイッチにはスィートポテトチップが、パスタにはスープかサラダが付いてお値段も良心的。
BARRIO COCINA Y TEQUILERIA
http://www.barrioplymouth.com/
壁一面に描かれたメキシコ風の絵が気分を盛り上げてくれる。Barrioはスペイン語で「近所neighborhood」の意味。子供連れから年配のカップルまで皆で食べたり飲んだりする親しみやすいご近所のダイニングバーという意味合いを込めた名前なのだろうか。アルコールも幅広く取りそろえている。The Mahi Mahi tacosは見た目も綺麗で美味しい。ENCHILADAS
に添えられたブラックビーンは素朴な豆本来の味がした。
OMELETTE & WAFFLE CAFE
http://www.omelettewafflecafe.com/
開店時間7am~2pm。できたての温かいオムレツが人気のこじんまりとした朝食カフェ。オムレツは卵がふわっと柔らかく、Veggieはさっぱり、Farmers
omeletteはチーズがたっぷり。ギリシャ、ポーランド、メキシコ風のものまでバラエティも豊富。ワッフル好きにはベリー系トッピングも嬉しい。土曜日の午前中など満席で待たされることがあるので空いている時間帯を選んで出かけたい。味と値段のバランスに満足。テイクアウトも有り。
THE BURGER SPOT
http://www.burgerspotplymouth.com/
奥の壁に描かれたWelcome to Downtown Plymouthの絵から地域への愛着が感じられる地元のバーガー屋さんといった感じの店内。絵の中にあるFaygoとはデトロイトに本拠地を置くソーダらしい。お店の人はフレンドリーでバーガーは4oz(113g)と7oz(198g)から選べる。
ESPRESSO ELEVADO
4年前にオープンしたこのコーヒーショップはラテアートでも注目を浴びているが、オーナーのこだわりはそれだけではない。大部分はオーガニックで厳選された豆のみを自家焙煎し、ペーパードリップで丁寧に淹れる。水の温度は90.5~96℃、お湯を注ぐタイミングにも注意を払って仕上げたコーヒーは香りが高くコクがある。ドリップ方式では甘みも残せるのでブラックでもまろやかで飲みやすい味になるとか。カプチーノは優しい味、ハウスブレンドはややダークで酸味があった。秋のスペシャル、クローブ入りcandied
clove capとカボチャ入りcalabaza latteは個性的な味だった。メキシコやエチオピア産など数種類のコーヒー豆を販売している。
S. MAIN STREETとANN AOBOR TRAILの交差点を中心に広がるプリマスダウンタウンは無料駐車場が多く飾らない街並で優しく訪れる人を迎えてくれる。Penniman Ave.を歩いていると工事中の古い郵便局の建物が目についた。近い将来スーパーマーケットができるらしいが、1930年代に建てられたというレンガ造りの外観は残すようでこれもまたふらりと入ってみたい所になりそうだ。「西のRoyal OakかBirmingham」と言われるプリマス、これからも魅力ある街づくりを期待したい。
参考ウェブサイト
http://www.ci.plymouth.mi.us/index.aspx?NID=20
愛子