はじめに

 ミシガンから帰国して早3年。しばらくの間、アメリカやカナダの自然の壮大さを思いだしては、懐かしい気持ちでいっぱいになっていた私ですが、先日25年ぶりに京都を訪れ、日本文化の底深さを改めて体感しました。

 四半世紀ぶりともなると、記憶も曖昧でほとんど初めて訪れるようなもの!まずは、王道の清水寺、金閣寺、龍安寺へ。ここはもっと前に修学旅行で訪れて以来。あの当時との大きな違いとして、とにかくアジアを中心とした外国人に至るところで遭遇。その他に、修学旅行シーズンということもあり、小・中・高校生がたくさんいたことは想定内だったのですが、なんと、最近の修学旅行生は、グループでの自由行動をタクシーやハイヤーで廻るんですね!!運転手さんが、各場所でガイド役にもなっています。傍から見ても楽しそうに和気あいあい笑顔いっぱいのグループや、運転手さん含め、明らかに疲れ果て、仏頂面のグループなどなど、グループの人間模様も想像しながら、思わずニヤけてしまいました。

 私たちの頃は、グループ行動はバスと徒歩移動でしたが、やはりそういうグループもいまだ存在。ただ、優先席に堂々と座ったり、運転手さんの京都弁をふざけてずっと真似していたり、目に余る中学生のグループがいたことは残念に思いました。そんな中、お年寄りにちゃんと席を譲る外国人の方に彼らは気づいたでしょうか。人のふりみてなんとやら、外国人の方々はそんな中学生たちに態度で示してくれたのでしょう。

 京都に行く前に、金閣寺の特集のテレビ番組を観る機会がありました。創建当時に修復された1955年は金2kg、金箔10万枚を使用したようですが、30年あまり後の1987年、金箔が全面張り替えられた際には、金20kg、金箔20万枚、通常の5倍の厚さの金箔を使用したそうです。私が修学旅行で金閣寺を観たのは張り替え作業2年前の1985年。当時はそれほど金ピカなイメージはなかった理由がようやく分かった次第です。今も毎日汚れや傷がないかと点検がなされているそうです。さすが世界遺産と認定されるだけはありますね。

 母との二人旅第二弾で訪れた25年ぶりの京都は、いろいろな思い、気づきのあった旅でした。転勤族の我が家は、この先まだどこに移り住むことになるのかわかりませんが、母が元気でいる間に、行ったことのない日本各地を訪ねる旅を、私と母の一年に一度の恒例行事としていきたいです。

(E・S)